受験生が物理を学び始めるときに直面する問題は次のようなものではないでしょうか。
目 の前には、2つに分かれている道があって、右側には「公式物理」、左側には「微積物理」と書いてある矢印が立っている。
受 験勉強を始める前に、どちらの道を進むかを決めなくてはならない。
「公式物理」とは、高校の教科書のやり方に沿って、公式を覚えて問題を解いていく学習法のことです。
「微積物理」とは、『物理入門』などの参考書を使ったり、予備校で教わったりして、教科書とは異なる微積分を使ったやり方で、問題 を解いていく学習法のことです。
そして、生徒から話を聞く限りでは、次の1〜3のようなことを考えた上で、道を選択しているように思います。
そして、このように考えた結果、多くの人が2を選択する。参考書の中から、分かりやすく解法の手順が書いてある本を買い、受験勉強 をする。
難関大を受ける受験生の一部と、予備校などで微積分を使って教わる人が3を選択する。
ここまでが、現状の説明です。
ここからが、僕の意見です。
「微積物理は難しい」というのは、話の前提が違うと思うのです。
なぜなら、『橋本流』タイプと『物理入門』タイプは、そもそも、参考書として目指しているものが違うからです。
『橋本流』タイプの本は、言うなれば、解法マニュアルです。問題を解くための手順が詳しく書いてあるのです。手順を覚えてその通り にやれば、頻出問題については解けるということなのです。逆に言えば、入試問題をデータ分析して、頻出問題に適用できる解法マニュアルを作ったということ です。頻出問題を解けるかどうかが合否を分ける場合が多いので、現実的に役に立ちます。けれども、解法が適用できない問題は当然あり、難関大になるほど、 頻出解法では解けない難問が出る可能性が高いため、場合によってはうまくいかないときもあります。
『物理入門』タイプの本は、読み手に「物理とは何なのか」を分からせようとしている本です。できるだけ厳密に論理を進めようとする ため、難解になります。微積分も当然のように使います。この論理を理解すると、物理が何なのかを明確にイメージすることができます。その正しいイメージに したがって問題に取り組むと、出題の意図が読み取れ、物理の面白さに触れることができるでしょう。ただ、解法の手順をマニュアル的に与えていないので、 「分かった」から「解ける」へのギャップを自分で埋める必要があります。
僕は、これらの本の間の違いは、
「公式物理」VS「微積物理」
ではなく、
「解法マニュアル」VS「物理のしくみの説明」
だと思いま す。
物理の仕組みや概念を厳密に説明するのは、誰がどうやっても難しいのです。
マニュアルにしたがって作業を進めるのは、誰がやっても簡単です。
微積分を使っているかどうかは、本質的には関係ありません。
微積分を使っていても、解法の手順が詳しく書いてあり、マニュアル化されれていれば、簡単に使いこなすことができます。
ただ、そういう参考書が無いだけなのです。
僕は、8年間、微積分を使った解法を工夫してきました。
物理が得意ではない普通の受験生が、「物理が分かった!」という感動を味わうことができ、かつ、問題を簡単に解けるようにするには
どうしたらよいかということがテーマでした。
目の前にいる普通の受験生に、物理を分かってもらい、好きになってもらい、感動してもらうためにはどうしたらいいか‥‥。 試行錯
誤の連続でした。(それは、今でも続いています)
難しくなりすぎてしまうところでは、思い切って、たとえ話などを使い、イメージだけを伝えるようにしました。
また、誰にでも分かるように、解法の手順をマニュアル化しました。
こうして確立したのが、【田原の物理】です。
最後にもう一度言います。「微積物理」が難しいのではありません。
「厳密に説明する」のが難しいのです。
「解法の手順が示されていない」のが難しいのです。
そこを工夫すれば、微積分を使って、やさしく、楽しく、感動する物理を学ぶことができます。